屋久島が抱える問題を紹介しています。
『危機遺産』となりうる今、
まずは現状を知ることが大切です。
2013年
1月
22日
火
中国・北京の「過去最悪」と言われる大気汚染。この汚染物質が専門家の研究によりますと西日本に流れてくる可能性が出ています。
昼なのか夜なのか、全くわからないほど汚れた空気。
マスクをしても吸入を防ぐことはできない空気。
などと表現されています。
北京や周辺地域一帯で先週末からこれまでで最悪の大気汚染が続いています。
屋久島にも影響は及びます。
今までも大気汚染は繰り返し起こり、その影響を受けてきています。
絶滅危惧種「ヤクタネゴヨウ」は特に枯死が進んでいます。
陽光を求め天を突き刺すほどの樹勢を誇りながら力尽きた大木は、国割岳周辺では30本を超えます。研究者は、工業化が進む中国大陸から飛来する大気汚染物質が原因の一つとみて調査を続けています。
ヤクタネゴヨウは屋久島と種子島に自生するマツの仲間の常緑高木で、屋久島の三地域で約2000本の自生が推定されています。枯死数は不明ですが、近年その数が目立ち、西部林道から最大自生地を目で追っても300本近くは確認できます。
研究者によると、枯死が進んでいる理由は、大陸の工場や自動車からの大気汚染物質が光化学反応でオゾンなどの光化学オキシダントや酸性の粒子に変化。季節風に乗って飛来し、汚染物質を蓄えやすい針葉に粒子が付着。光合成の力が落ち、ストレスが生育に影響を与える。ということだそうです。
屋久島で調査する千葉科学大学の永淵修教授は「大陸との間には海だけ。遮るものがない屋久島には、大陸から直接汚染物質が運ばれてくる。影響は計り知れない」とのこと。
住民の危機意識も高く、自生木を調べる市民団体「屋久島ヤクタネゴヨウ調査隊」の手塚賢至代表は「屋久島は地球規模で起こる環境汚染を測るセンサーだ。進行する森林破壊を食い止めたい」ということです。
参考:南日本新聞社